- 生活の中の紙
- 2011.10.23
紙飛行機
こんにちは。大谷です。
今日は紙飛行機のお話です。
紙飛行機といっても、折り紙でつくる簡単なものではなく、紙飛行機の競技で使用される本格的なものです。
ゴムで飛行機を飛ばし滞空時間を競うという正式な競技で、日本紙飛行機協会のもと、素材(紙質や接着剤)の規定や、機体の重さや形態など厳密な検査をクリアして行われる本格的な競技用の紙飛行機です。
先日、紙通販ダイゲンで紙飛行機に使用するということでサンプル依頼がありました。最終的に選ばれたのがOKミューズコットン<90>。どのような使われ方されるのか気になっていたのですが、なんとそのお客様からミューズコットンで作られた紙飛行機をプレゼントしていただきました!送られてきた飛行機を見てビックリ。折り紙で折ったような飛行機を想像していたのですが、写真のような非常にシンプルで且つ緻密な機体ではありませんか。
その凄さは私の文章では伝わらないと思いますので、いただいたメールを紹介させていただきます。
* * * ミューズコットンで胴体を仕上げた場合 * * *
<118>で試しましたら、胴体目方が 1.4g になりました。
<90>が同じ硬さで巻けましたなら 1.0gで仕上がる計算。
マイナス0.4gは機体重量5.4gに
対して約7%分となり <総重量/主翼面積> 翼面過重が軽減され
翼面積は7%分増えた計算となり、滞空時間がそれだけ延びます。
昆虫 鳥 航空機 ロケット 宇宙船 あらゆるものが <0.1g>
でも軽く、しかも丈夫な構造が求められます。卵の殻をヒントに
胴体と翼は<モノコック構造>にして射出スピードの30(m/s)に
も耐えられるように仕上げました(ゴム・ショックコード射出時)
紙飛行機の滑空速度は、およそ5(m/s)ですから ×6倍 (6G)
の過重に一瞬だけ耐えられなければなりません。昆虫に例えれば
蝶がテニスのサーブに近いスピードに耐える様なものでしょうか。
***飛行機が<紙>にこだわるから こそ なかなか奥が深く 面白い***
すごいですよね!感心しました。飛行機を送っていただいたお客様は航空システム工学や流体力学を大学で研究されている方でした。
紙はいろいろな使われ方がまだまだあるんですね。改めて「紙」という素材の奥深さを知りました。5gほどの紙飛行機にいろいろな知識や研究の成果が詰まっていると思うと、気軽に触れません。大事に飾っておきたいと思います。
高田先生、送っていただいた2機の機体と添えられた心温まるお手紙、本当にありがとうございました。